2009/02/22

DESIGN OF DESIGN

今月はじめは展示を、今日は本を買いに吉祥寺美術館へ。

テクノロジーが世界を新たな構造に組み換えようとするとき、
それまでの生活環境に蓄積されていた美的な価値は往々にして犠牲になる。
世界は技術と経済をたずさえて強引に先へ進もうとし、
生活の中の美意識は常にその変化の激しさにたえかねて悲鳴をあげるのだ。
そういう状況の中では、時代が進もうとするその先へまなざしを向けるのではなく、
むしろその悲鳴に耳を澄ますことや、その変化の中でかき消されそうになる繊細な価値に
目を向けることの方が重要なのではないか。

DESIGN OF DESIGN 原研哉著 帯より

最近、昨年夏に買った、「古事記」の真実 (文春新書 649) 長部日出雄著を読み返しているのだが、
日本書紀とは別に、古事記を編纂した理由として、漢字流入により「やまとことば」が滅んでしまう
危機感が背景としてあったのではないかと著者は推測している。

日本の和紙の歴史を(ほんの少しだけ)調べてみて、単純に「狩猟」と「稲作」に分類されない、
その他」の人々の歴史が繊細な日本文化を支えてきたのではないかと思いはじめている。