しかし、京をはるかに離れた鎌倉にいる内大臣、右大臣というものも、まことに妙なものである。
実に、現実を失って浮き上った者を、強烈に惹きつけるものとしての、京都の幻想装置が
如何に有効かつ高度に作用するものであるかが、実朝の側から見てあわれなほどにも
明らかに見えてくる。
定家明月記私抄続篇 源実朝 建保元年-六年 堀田善衛著 より
平氏から源氏、京から鎌倉。
源氏から北条氏、京と鎌倉。
公家と武士。
教科書には載っていなかった生々しい権力闘争が淡々と語られていくなかで
ふと和歌が入りほっとさせる。
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